2011年5月18日水曜日

本音と建前

 昨夜、某外資系銀行支店長との会食事に興味深い話を聞かせてもらった。
 日本人の建前社会は江戸時代に遡るということらしい。当時は武士が庶民の生殺与奪権をもっていて、無礼と判断すればその場で「切り捨てごめん」ということで、武士の前で庶民は顔色を伺い、ご機嫌伺いをするようになった。そのため決して喜怒哀楽の感情をださず、じっと我慢することに慣れてしまい、社会と意識の根底に「建前」がどんと居座ってしまったということである。このことは、現在の被災者の姿に重なるとも言っていた。もっと本音で「悲しい、苦しい、辛い、腹減った、許せない、金がほしい」などの単語を吐き出すほうが精神的に楽になるのではないかとも。
 我慢強く秩序正しい日本(東北)人という被災者の姿も感動的だが、2ヶ月近く蓄積している疲労とストレスを解消するためにも、「メルトダウン」という最悪の事態を隠蔽している政府と「東電」にはもっと激しい本音をぶつけて少しでも心身を軽くしてもらえればと願う。
 
 

2 件のコメント:

  1. 東北地方は藩社会だったので、その建前というか・・・慎みが滲み通っているように思います。
    それに引き換え大坂ですが、天領だった為武士の数が極端に少なく商人などの自治が成り立っていて、武士にへつらう意識が薄い。そういう意味で大阪の人間は本音で生きていると言えるかもしれません。
    しかし、あの災害の中、あれほど慎ましく穏やかにご苦労に耐えていらっしゃる東北の被災者を見ていると、大阪の人間としては日本人の美しさを見ることが出来たようで、我が身を振り返り慎みをわきまえなければと思わされます。
    東北の人達が感情をあからさまに出すことで、気持ちが軽くなるかどうかは疑問です。環境が育てた人となりがそうさせているので、本音を言う怖さもわきまえているのでは・・・と察しますが。

    返信削除
  2.  コメントありがとうございます。私は今まで本音をあらわにして生きてきたせいか、結果的に回りを巻き込んで迷惑をかけてきた人生だとよく指摘されます。本人にその自覚があまりないだけに、重症だとも揶揄されています。東北人の爪の垢を煎じて飲みます。

    返信削除