2011年5月20日金曜日

妄想

 同じマンションでちょくちょく出会う男性がいる。見た瞬間、私はたぶん彼じゃないのかなと思ったのだが、向こうは軽く会釈するだけである。
 高校時代に一度クラスが一緒になった程度の間柄である。
 ところが、昨日エレベーターで二人きりとなった。先に彼が乗り込んで、私がその次という状況だったので彼と正面から向き合うことになったのだが、反応がない。仕方なしに声をかけようと思ったが、そのままにした。
 30数年ぶりの再会であるが、男子校だけに同窓会らしきものもなく、当時の友人グループが個別で飲み会をやっているようである。こういう場合にもし「彼」が「彼女」だったら声をかけていただろうかと自問自答してみた。
 単なる「友人」なら声をかけていただろうし、そうでない深い関係であったのなら、同じ屋根の下でいつ気づくかという「どきどき感」を楽しみながら過ごすことになるだろう。相手が気づいたらどうするか、そこからは「妄想」の世界である。

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