2011年5月27日金曜日

「世界記憶遺産」

 今朝の朝刊に韓国の光州事件に関する記録物が登録されたとの記事があった。「否定的な過去の記録も、忘れてはならない人類の貴重な記憶である・・・」とのユネスコ韓国委員会のコメントが胸を打つ。
 私にとっては光州事件当時に忘れることのできない一枚の写真がある。
 戦車の前で額から血を流している青年の横で女性がハンカチでその地を拭いているものである。
 日本で見たときには、学生運動の同士なのかと思っていたのだが、記念館での説明でその男女が「新婚夫婦」であることが判明して、衝撃を受けた。軍人が旅館で宿泊中の新郎を強制的に連れ出し、それを追いかけてきた新妻との説明だった。
 被害者の「記憶」に寄り添うことが、「記録」からは見えてこない歴史の真実が姿を現すことが多い。
 「否定的な過去の記録」を「でっちあげだとか、被害者の数が多すぎる」とかほざいている連中たちにユネスコのコメントを聞かせてやりたいが、馬耳東風だろう。
  

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