先輩のスタート順がアルファベットの「O」なので、スタート地点で待ち構えてシャッターチャンスを狙っていたが、怒濤のように押し寄せる人並みに圧倒されてまったく探すことができない。
先輩の目標タイムが6時間だというので、いった自宅に戻り、待機してから3時過ぎにゴール地点の咲州に向かうが、まったく姿が見えない。
どうしたのかなと不安に思っていたら、携帯電話が鳴り「いま着替えて待ち合わせスペースに向かっている」というので、あまりにも早すぎるので一瞬「棄権でもしたのかな」と危惧したが、「エッ、タイムはどうだったんですか?」と聞いたら「5時間10分ぐらいだった」と返答があった。
全身に鳥肌がたった。4月に腸の手術、6月にアキレス腱の炎症、8月に父親の逝去、10月に練習中のけがで目の上を数針縫うなどの逆境を乗り越えて、みごと来年還暦を迎える人の初マラソン挑戦である。
「完走祝い」での表情が本当に美しかった。
来週の「本番」に向けて、すごいパワーと勇気をもらった。