2011年10月20日木曜日

「死ぬのを待っている」

 「慰安婦」問題を結局、李明博大統領は首脳会談で言及しなかった。「経済重視」というが、韓国の日本大使館前では毎週水曜日に元「慰安婦」達と支援者が集会を行っている。
今年12月にはその集会が1000回を迎えるのだが、どんどん被害者達は高齢でこの世を去っている。
90年代の初め、南北朝鮮とフィリピン、オランダの被害女性を日本に招待した「国際法廷」とシンポジュウムがあり、かかわったことがある。被害女性達は異口同音に「日本政府は私たちが死ぬのを待っているのか」という悲痛な叫びをあげていた。
北朝鮮から来られた被害女性をホテルまで連れて行き、部屋にご案内して使用方法などを説明をしようとしたのだが、ベッドの上に置かれていた和風の寝間着を見た瞬間、凍り付いていた。
半世紀前の記憶が蘇ったのか、数分立ち止まっていた。
翌日の朝食に出された牛乳にも決して口をつけなかった。不思議に思っていたら私ではなくてもう一人の付添の女性に「精液を思い出す」と漏らしていたようだ。
半世紀経っても決して癒えることのない心の傷に南北も日本もしっかりと向き合おうとせず、政治・外交カードとしてそのタイミングと効率性をうかがっている。

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