2011年6月21日火曜日

在日2世

 昨夜、四捨五入すると80歳の男性3名と三重県の温泉旅館で過ごした。
 A(79歳)さんは5歳のときに母親に背負われて来日し、B(80歳)さんは15歳まで広島の呉にいて、その後韓国に帰り、朝鮮戦争に従軍して1961年に密航で再来日し、C(79歳)さんは父親を三重県の土木工事で、そして兄2名を戦争で亡くした。
 実に貴重な体験であった。それぞれ生きざまと価値観は違うが、国家と時代に翻弄された人生を直接湯につかりながら、そしてお酒を酌み交わしながらじっくり聞くことができた。さすがに、酔いも回らず、眠気もこなかった。
 3者に共通しているのは「植民地祖国」と「日本」への愛憎であった。そしてそのすさまじい体験に言葉を失い、その空間に自分の居場所はまったくなかった。その「浮遊感」がなかなか消えない。

 
 
 
 

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